2/26北九州京築版に取材記事が掲載されました。

全文は以下の通り。
色の合成から遺伝子細胞の観察まで。実験を通じて科学の不思議や楽しさを子どもに伝える教室が、北九州市若松区にある。 幼いころから実験が大好きだった宇梶良子さん(43)が、工夫を凝らしたメニューで科学の世界へいざなう。
若松区のアーケード商店街「明治町銀天街」のすぐそばに、宇梶さんが開く「科学実験教室アカデミア」はある。自宅2階に設けた教室の棚には試験管やビーカーなどが並び、壁には元素の周期表が貼られている。まるで理科室だ。
朝日新聞 2020年2月26日
土曜の午前、小学2年の男の子がやってきた。白衣に袖を通すと、あいさつをして実験開始。この日のテーマは「油」だ。
「油を使ったおやつって何がある?」。質問に男の子が「ポテトチップス」と答えると、宇梶さんは「正解。ではこの中にはどうでしょう」と板チョコレートを取り出した。
割ったチョコレートをビーカーに入れ、湯を注ぎ、かき混ぜて溶かす。しばらく置くと中の液体が2層に分かれた。スポイトで上層部を吸い取り、透明な平皿に。少しお湯を加えると表面がギラギラと光った。包装紙に書かれた原材料を読み上げ、「カカオバターって書いてあるね。じゃあチョコレートの中に油は?」。再び宇梶さんが尋ねると、男の子は元気よく「入っている」と答えた。
ほかにも植物油や牛脂でろうそくを作ったり、冷やした生クリームをガラス瓶に入れて振り続けてバターを作ったり。実験は2時間続いたが、男の子の集中が途切れることはなかった。
宇梶さんは幼いころ、子ども向け科学雑誌を愛読し、付録の実験セットで遊ぶのが楽しみだった。学校の理科の授業が物足りず、「もっと実験がしたい」といつも思っていた。
理系の大学に進むと「自分が先生になって実験中心の授業をしよう」と思い立った。だが、教育実習先の学校で厳しい現実を知る。学習指導要領をこなし、多くの生徒を相手にする。時間がかかり、細やかな安全対策が必要な実験を多く採り入れるのは「普通の学校では難しい」と言われた。
夢をあきらめきれなかった宇梶さんは、学習塾や東京の科学実験教室で経験を重ねた。8年前、念願の自前教室を、実家のある沖縄県で開いた。工夫を凝らした実験に目を輝かせ、自由な発想で結果や原因を推測する子どもたち。思い描いた授業がそこにあった。
昨夏、結婚を機に夫の彰さん(52)の出身地、若松区へ。彰さんも宇梶さんの授業を見て、「北九州の子どもたちも絶対に喜ぶ」と、自宅で教室を開くことに賛成した。
なぜ、実験にこだわるのか。「例えば水と油の重さ。『比重』という言葉で説明してもわかりにくいけど、試験管に水と油を入れて観察すれば一目瞭然」と宇梶さん。「自分の手を動かし、五感を使って観察する。ワクワク、ドキドキして得た知識を子どもたちは忘れません」
月1回2~3時間半の授業で月謝8500円。体験実習も随時受けつける。
問い合わせは科学実験教室アカデミアの電話(093・980・6135)かメール(info@academia-wakamatsu.com)で。

